| いつもほろ酔い |
| 二十数年前の二十代は、よく飲んだ。友達と毎日のように会っては、 飲んでいたような気がする。その頃は、飲むことはおまけで、友達と べったりして話をするのが楽しかっただけだ。だが、こっちへ来て 結婚してしまうと、主人が飲まないし飲み友達もいないせいもあって、 殆ど飲まなくなった。と、いうのはウソ。最近、なんとなく飲む。 相手がいないから、要するに「キッチンドリンカー」か。アル中かいなと 思う。こっちは、アルコールに関してもタバコに関してもうるさい。ま、 それだけ「Addicted」が多いからかもしれないが、自分をコントロール できない人間を虫けらのように見る。近頃は、肥満だってその仲間だ。
外で仕事をしていた頃、帰ってきて食事の支度をする前にまず1杯。 「エンジンかけよ」とか言いながら2杯。それ以上は飲まないが。飲まなきゃ やってらんないわ、なんて逃げ場にしない。ただ飲みたいだけ。息子が おかしくなろうとなるまいと、同じ。ただ、飲んでる。逃げ場では決してないと 思うが、直視できない世間や自分に起こる出来事も、ほんのり酔眼なら 見ることができるような気がしてくる。専門家に言わせれば、これが 「アルコール依存症」の初めの一歩か。
酒飲みの嫌いな友人は、「自分をごまかしている」とか、「飲んでいる時は 本当でないような気がして信用できない」とか言う。だが、もうこの年に なって自分に本当もウソもないと思う。素面でいようと飲んでようと、 ワタシはやはりワタシなのだ。日本にいる父が言っていた。自分というのは、 「自ずと分かれる」ということ。で、分かれてくる相手は宇宙。人間である 自分は、宇宙の一滴なのか。そんなもんなら、やっぱりホントもウソも関係ない。 相手が広大過ぎて、そして自分がちっぽけ過ぎて、ホントとかウソなんて どうでもいいや。
だが、酒で心が痛むことがあるなら、ただひとつ。今下半身が動かない 母のこと。4年程前のある日突然、足腰が立たなくなった。頚椎が溶け ちゃって、ついでに神経がどうにかなっちゃったというのだが、原因が はっきりと分かっているわけではない。だが、糖尿病があるということ だから、それが原因かなとも思う。で、ワタシが推測するに、多いに お酒飲ませちゃったからかなと。20代前半から半ばまで、心労かけ 通しだった。大学は勝手にやめちゃう、就職も小さい会社をフラフラ (当たり前か)。プーをしていたと思ったら、アメリカに行っちゃう。 いい年して、親のことなんかこれっぽっちも考えてなかった。決して お酒が嫌いじゃない母のこと、きっと飲んだんだろうな、と今だから 思うのだ。飲ませたのは多分このワタシ。それだけが、心に刺さった トゲのようになっている。(aki3) |