| 子供の不登校や、ティーンエージャーの問題については、いろいろ見たり聞いたりしていた。だが、3人の子供のうち、 上2人がまあまあ、問題も起こさずにきたものだから、対岸の火事のように見ていた。災害なんていうものは、こんなふうに 急に襲ってくるのかもしれない。きっかけは、家出だった。ま、その前から「サボリ」とか「遅刻」とか兆候はあったの だろうが、根が「ま、いいっか」の母親だから、見過ごしていたと言われればその通りだ。 末の息子がおかしくなったのは、高校入ってからのこと。1年のレポートカード(通信簿)を見ると、遅刻や無断欠席が 10幾つとか20幾つとかついていたから、おかしいなとは感じていた。学校からも別に呼び出しはこなかったし、必要な クレジットもきちんと取ってあった。だが、この頃から外出や遅い時間の帰宅が増えてきたと思う。そして、2年の長い 夏休みを過ぎたある日、学校の授業を抜け出しウチの車を運転していたことが私達に知れるところとなった。もちろん、 15歳の息子は無免許(州によって違うが、今のところ16歳で条件付きで取得できる)。気持ちの滅入るようなやりとりが あった末、10月のある土曜日、私が勤めから帰って来て知らされたのがバッグ一つ持って家を出て行ったという事実。 友達の家を転々としたその家出は、1週間ほどで終了した。 それから息子は学校へ行かなくなった。朝、起きてこない。私と息子の間で続く不毛なやりとり…。子供で同じような経験を もつ周囲の友人に片っ端から聞いて回った。「ともかく、今はそっとしておくこと」「長い目で見なさい」そうした アドバイスにすがって、見守るしかないかとハラをくくった。だが、昼過ぎに起きてきて、夕方にはふらっと遊びに 出かけてしまう息子を見ると、くくったハラが煮えくりかえっていた。「ああ、もうやだ、もううんざりだ、絶対血管 ブチキレル」と思いつつ、アドバイスにもあった「深呼吸」を何度も繰り返した。おかげで、きっと肺活量は増えた だろう。ある日とうとう学校区からの呼び出し状が郵便で届いた。 |