カリフォルニアのヘルス、日本の健康

 アメリカに来て、というかカリフォルニアに住んでまず驚いたことは、“おデブ-chan”の数が

ホントに多いこと。“おデブ-chan”といっても、日本の“オデブチャン”タレントたちの比ではない。

“KONISHIKI”くらいの超級“おデブ”がウヨウヨいるのだ。後になって、この人たちは、“オベスティ(肥満)”といわれる

一種の病気であることが分かったが。

 アメリカってつくづく不思議な国だと思う。それこそうらやむような最先端医療技術や知識、

研究の力、潤沢な資金を備えている一方で、バカ高い医療費、それをカバーできない保険制度、

医療費が払えなくて死亡する低所得者層の子どもたち。矛盾だらけで、その矛盾がすぐ隣同士にある社会。

医療費の高さはあいた口がふさがらなかったし、日本のようなしっかりした公的保険制度がなく、これまた

バカ高い保険料を請求される民間会社に加入しなければならないことにも驚いた。ま、病気に罹ったら

普通の人間は“死ね”と言われてるんだろうなと妙に納得してしまった。

 そんな社会で、ここ10年くらいの間に、やっと“医食同源”の意味が見直されている。

専門家たちは前々から“病気とライフスタイル、特に食生活”との関連性を訴えてはいたが、ステーキに

ハンバーガー、フライドポテトなどがしっかり染み付いた社会では、なかなかぴんとこなかったのかも

しれない。しかし、肥満が心臓病や糖尿病からがんまで、ともかくいろいろな病気の元だと専門家は

口をすっぱくして訴えるようになった頃から、それに重なるように日本食ブームが到来した。アジアの

野菜を中心とした健康的な食生活が、アメリカ人の眼にはかなり魅力的に、そしてやはり神秘的に

映ったのかもしれない。私がカリフォルニアの土を踏んだ頃は、マーケットに日本食良品など全く

見られなかったが、今では殆どに小さいながらもコーナーができている。中でも、豆腐は、その原料の

大豆(ソーイ)成分、イソフラボンの効能が素晴らしく大量に宣伝されるようになって豆腐自体や豆乳、

ソーイバーガーやソーイドッグなんてものまで製造されるようになった。また、枝豆もそのまま

“エダマメ”の名で販売されているのを見かけた。大豆の他にも、近頃は日本人の友、緑茶成分の

カテキン効能もがん予防に有効などと、ヘルスニュースで大きく取り上げられるようになっている。

それでも、殆どのアメリカ人の食事が相変わらずなのは、長年食べつけたこってりたっぷりという

味と量に日本食はそぐわないためだと感じる。豆腐やご飯もアメリカ人の口には淡白すぎるらしく、

日本食レストランではご飯などに醤油をこれでもかと、ドボドボ掛けて食べている姿をよく見かける。

緑茶もさすがに味の渋味がアメリカ人ウケしない。だが、大豆や緑茶成分の効能には未練がある。

それで、ダイエタリーサプリメントとしてイソフラボンやカテキンがドラッグストアの棚に並び出した。

これが、ピル好きのアメリカ人には結構ウケて、かなりの売れ行きを上げているらしい。でも、大豆や

緑茶を錠剤で飲むなんて、やっぱり私は納得がいかない。栄養というのは、味わって満足してこそ

身につくと思うのだが。その点、一般的なアメリカ人の食生活は貧しいなとずっと感じてきた。

満足感より満腹感さえ味わえればいいんじゃないかと横目で見ている。

日本の食事も欧米化してきている、なんていう話をよく耳にする。豊富な食材や卓越した

料理技術を伝えている日本の食がまさかピルになるなんて、間違ってもあって欲しくない。

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